Linuxでは、”ランレベル”という仕組みで起動するサービスを分割する事ができます。
Linuxが起動する際に、様々なサービスが[OK]などと表示されて起動するのを確認していると思います。
しかし、このサービスの中には、Linuxの用途によって不要なものが含まれている事があります。
このサービス(デーモン)は、不要な時には停止しておいた方が良いのですが、あるタイミングでは必要になるかもしれません。
そのような時に、起動するサービスを分割できるのがランレベルという仕組みです。
ランレベルは数種類に分かれており、Vine Linuxでは次のように定められています。
ランレベル
ランレベル |
意味 |
0 |
シャットダウン |
1 |
シングルユーザーモード |
2 |
マルチユーザーモード(ネットワークなし) |
3 |
マルチユーザーモード(テキストログイン) |
4 |
未使用 |
5 |
マルチユーザーモード(グラフィカルログイン) |
6 |
リブート |
0と6は、終了と再起動に使用される予約済みのランレベルです。
1、2、3、5は初期の状態から用意されています。
また、4は未使用となっていますが、ユーザーが自由に使用することができます。
ランレベルがどのモードで起動するかは、/etc/inittab に記述されています。
実際に/etc/inittab を開いてみると、以下のようになっています。
#
# inittab This file describes how the INIT process should set up
# the system in a certain run-level.
#
# Author: Miquel van Smoorenburg,
# Modified for RHS Linux by Marc Ewing and Donnie Barnes
#
# Default runlevel. The runlevels used by RHS are:
# 0 - halt (Do NOT set initdefault to this)
# 1 - Single user mode
# 2 - Multiuser, without NFS (The same as 3, if you do not have networking)
# 3 - Full multiuser mode
# 4 - unused
# 5 - X11
# 6 - reboot (Do NOT set initdefault to this)
#
id:3:initdefault: <--- ランレベルの設定
# System initialization.
si::sysinit:/etc/rc.d/rc.sysinit
l0:0:wait:/etc/rc.d/rc 0
l1:1:wait:/etc/rc.d/rc 1
l2:2:wait:/etc/rc.d/rc 2
l3:3:wait:/etc/rc.d/rc 3
l4:4:wait:/etc/rc.d/rc 4
l5:5:wait:/etc/rc.d/rc 5
l6:6:wait:/etc/rc.d/rc 6
# not needed for recent kernel.
# ud::once:/sbin/update
# Trap CTRL-ALT-DELETE
ca::ctrlaltdel:/sbin/shutdown -t3 -r now
# When our UPS tells us power has failed, assume we have a few minutes
# of power left. Schedule a shutdown for 2 minutes from now.
# This does, of course, assume you have powerd installed and your
# UPS connected and working correctly.
pf::powerfail:/sbin/shutdown -f -h +2 "Power Failure; System Shutting Down"
# If power was restored before the shutdown kicked in, cancel it.
pr:12345:powerokwait:/sbin/shutdown -c "Power Restored; Shutdown Cancelled"
# Run gettys in standard runlevels
1:2345:respawn:/sbin/mingetty tty1
2:2345:respawn:/sbin/mingetty tty2
3:2345:respawn:/sbin/mingetty tty3
4:2345:respawn:/sbin/mingetty tty4
5:2345:respawn:/sbin/mingetty tty5
6:2345:respawn:/sbin/mingetty tty6
# Run xdm in runlevel 5
# xdm is now a separate service
x:5:respawn:/etc/X11/prefdm -nodaemon
この設定ファイルの中で、「id:3:initdefault:」の部分の数字が、ランレベルを表しています。
上記の状態ではテキストログインですが、この数字を3→5に変えると、グラフィカルログインになります。
通常は、ランレベル3かランレベル5で使用します。
サーバーの場合にはランレベル3を使用しますし、デスクトップとして使用する場合は好き好きです。
ランレベルを変更した場合には、それぞれのランレベルで定義したサービスの起動設定を間違えないように注意が必要です。
ランレベル2〜5で起動するサービスの定義は、/etc/rc*.d/以下に収められています。
このサービスの編集については、デーモンの項で説明していますので、そちらを参照してください。