”パス”とは、特定のファイルやディレクトリの位置を示す文字列です(ディレクトリの事をWindows やMac OS ではフォルダと呼びます)。
ここでは、区別しやすいように、Windows の場合にはフォルダ、Linux の場合にはディレクトリと呼ぶことにします。
パスとはどんなものか、具体的に例を挙げます。
例えば、インターネットでファイルを自分のPC へダウンロードして保存する時、”どこに保存するか”という事を決めなければなりません。
その保存先を示すものが”パス”なのです。
Windows を使っているならば、何でもいいのでフォルダを開いてみます。
すると、上部の”アドレスバー”の所にはそのフォルダのある位置が文字列(=パス)として示されています。
例えば、次のようにアドレスバーに表示されているとします。
C:\home\desktop\vine.txt
これが指し示すものは、”C ドライブ”の”home”フォルダの中の、desktop”フォルダの中の、”vine.txt”というファイルです。
各フォルダやファイルを区切っているのは、”¥”という記号です。
Windows やMS-DOS ではフォルダやファイルの区切りにこの記号を使います。
また、ハードディスクのドライブレターの後には、”:¥”を付ける約束があります。
一方、Linux などUNIX 系のOS では、ディレクトリやファイルの区切りには、”¥”の代わりに”/”を使います。
また、パスの表記方法には”絶対パス”と”相対パス”という方法の2通りがあります。
これらについては次項で説明します
ちなみに、上記のWindows の例は、絶対パスによる表記です。
”絶対パス”とは、あるファイルやディレクトリの絶対的な位置の記述です。
Windows ならば、”Cドライブ”、Linux ならば”/”を基準とし、ここから目的のファイルやディレクトリまでのパスを記述するのが絶対パスです。
一方、相対パスとは、現在位置から目的のファイルやディレクトリまでのパスの記述です。
これは、自分のいる位置に対し、相対的に特定の位置を指し示す方法です。
次の図を例に、”vine.txt”を目的のファイルとする際の、パスの記述をそれぞれ表してみます。まずは、Windows の場合です。
- 絶対パス
-
C:\home\desktop\vine.txt
自分が”usr”フォルダにいる(usr フォルダを開いている)状態で、相対パスを記述すると、次のようになります。
ここで、usr からvine.txt へ向かうには、一度は根である”c:”へ戻り、経由しなければなりません。
1つ上の階層へ戻る時のパスの記述は、”..\”と表します。
- 相対パス
-
..\home\desktop\vine.txt
次に、Linux の場合の例を挙げます。
- 絶対パス
-
/home/desktop/vine.txt
自分が”tool”ディレクトリにいる状態で、相対パスを記述すると、次のようになります。
- 相対パス
-
../../home/desktop/vine.txt
以上のように、パスの表記には2通りあり、場合によって使い分けるのが一般的です。
例えば、絶対パスは自分の現在位置を知らなくても目的のファイルへ到達できますし、
自分の現在位置が分かっている場合には、相対パスの方が絶対パスよりも記述量が少なくて済む事もあります。
また、ホームページを作っている方ならば経験していると思いますが、相対パスで全ページを記述している場合には、
HTML ファイルをサーバーへUP しなくともローカル(自分のPC 内)でリンクを辿る事ができます。
絶対パスと相対パスは、適材適所・・・場合によって巧く使い分けると便利です。