UNIX系のOSは、「コマンド一筋」というイメージがありますが、最近はGUI環境も整い、コマンドをほとんど知らなくともLinuxをデスクトップとして使う事ができるようになりました。
しかし、簡単なコマンドを覚えておくと便利な事には違いありません。
例えば、リモートでサーバーにログインして何か操作をする時、Xを立ち上げるほどでもない操作をする時、マウスを使うのが面倒くさい時・・・などです。
GUI環境を使わないのであれば、非常に低スペックなPCでもLinuxが動くという事もあります。
多少なりともコマンドを知り、そして使ってみる事でWindowsやMacとは一味違ったOSを体験してみるのも面白いと思います。
「コマンドは覚えられない」、「コマンドは必要ない」、「コマンドは苦手だ」などと言わずに、少し頑張ってチャレンジしてみましょう。
簡単な事から少しずつやれば、コマンドを毛嫌いする事も少なくなると思います。
さて、コマンドには「コマンドのマニュアルを表示するコマンド」というものがあります。
このコマンドを「man コマンド」と呼びます。
このコマンドを利用すると、各コマンドの意味やオプションを知る事ができます。
また、「man コマンド」には日本語版が用意されていて、「jman コマンド」と言います。
コマンドのマニュアルを調べる際に、日本語版がないコマンドマニュアルに対して「jman」を使っても、英語版で表示されるので、日本人ならば普段から「jman」だけを使えば良い事になります。
以下は、リストを表示する「ls」コマンドについて、マニュアルを表示したものです。
英語版の「man」と日本語版の「jman」の両方を掲載します。
man コマンド
$ man ls
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LS(1) FSF LS(1)
NAME
ls - list directory contents
SYNOPSIS
ls [OPTION]... [FILE]...
DESCRIPTION
List information about the FILEs (the current directory by
default). Sort entries alphabetically if none of -cftuSUX
nor --sort.
-a, --all
do not hide entries starting with .
-A, --almost-all
do not list implied . and ..
・
・中略
・
AUTHOR
Written by Richard Stallman and David MacKenzie.
REPORTING BUGS
Report bugs to <bug-fileutils@gnu.org>.
・
・中略
・
(END)
jman コマンド
$ jman ls
LS(1) LS(1)
名前
ls, dir, vdir - ディレクトリの中身をリスト表示する
書式
ls [options] [file...]
POSIX オプション: [-CFRacdilqrtu1]
GNU オプション (簡略形式): [-1abcdfghiklmnopqrstuvxABCDFGHLNQRSUX] [-w cols] [-T cols] [-I pattern]
[--block-size=SIZE] [--classify] [--color[={none,always,auto}]] [--file-type] [--full-time] [--for-
mat={across,commas,long,single-column,verbose,vertical}] [--human-readable] [--indica-
tor-style={none,file-type,classify}] [--quoting-style={c,clocale,escape,lit-
eral,locale,shell,shell-always}] [--show-control-chars] [--si] [--sort={none,exten-
sion,size,time,version}] [--time={atime,access,ctime,status,use}] [--help] [--version] [--]
説明
プログラム ls は、最初にディレクトリでない引き数 file をリスト表示する。それから、ディレクトリで あ
る 引き数について、それぞれのディレクトリにあるリスト表示可能なすべてのファイルを表示する。
・
・中略
・
出力は標準出力に対して行われ、 -C オプションで複数列出力が要求されない限り、1 行に 1 エントリ で あ
る。 し かし、端末に対する出力では、出力が 1 列または複数列のどちらになるかが定められていない。オプ
ション -1 と -C は、それぞれ 1 列出力と複数列出力を強制させるために使用される。
POSIX オプション
-C ファイルを複数列でリスト表示する。垂直方向にソートする。
-F ディレクトリ名の後に `/' を、FIFO の名前の後に `|' を、実行可能なファイル名の後に `*' をそれ
ぞれ付加する。
・
・中略
・
-1 出力を 1 列にする。
GNU 詳細
標準出力が端末の場合、出力は (垂直方向にソートされて) 複数列になる。
dir (d という名前でもインストールされる) は `ls -C' と等しい。つまり、デフォルトとして、ファイル は
垂 直 方向にソートされて複数列でリスト表示される。 vdir (v という名前でもインストールされる) は `ls
-l' と等しい。つまり、デフォルトとして、ファイルは長い形式でリスト表示される。
GNU オプション
-1, --format=single-column
1 行に 1 ファイルをリスト表示する。標準出力が端末でない場合のデフォルトである。
-a, --all
`.' ではじまるファイルを含め、ディレクトリ中のすべてのファイルをリスト表示する。
・
・中略
・
(END)
以上のように、非常に長く説明が表示されます。
しかし、参照するのは目的の項目だけでよいので、それほど驚く事はありません。
例えば、「ls」に続くオプションを知りたいという時には、オプションの項目だけを見れば良いのです。
オプションも非常に多く表示されますが、実際によく使用するのは一部です。
以上のように、コマンドについて分からなくなったら、man/jman コマンドで調べる事もできるので、覚えておくと良いでしょう。