”フロッピーディスクドライブ”=”FDD”は、今でこそ枯れたデバイスとなりつつありますが、10年も前までは立派なデバイスでした。
近年は光学系のデバイス技術が進歩し、価格も手頃で、且つ大容量で、便利で・・・古くからあるフロッピーはあまり出番がないように思われがちです。
確かに、”記憶メディア”としては、その価値は圧倒的に下がりました。1枚当りの単価も光学ディスクと変わらず、容量は比較になりませんね。
メーカー製のパソコンなんかでは、初めからフロッピードライブが付属していなかったりします。
その代わりに、SD カードなどを読み取れる”カードリーダー”なんかが付いていたりして、ますます肩身が狭い気がします。
では、フロッピーは必要か?という事をここで考えてみます。答えは・・・必要です。
但し、上記のように記憶メディアとしては価値が見出せません。
ではどんな時に使うか?・・・・・緊急時に起動する最後の手段として使います。
”緊急時”とは何か・・・それは、何らかのトラブルでOS が起動しなくなった時です。
そのような時には、Windows ならばDOS の起動ディスクとしてフロッピーを使いますし、Linux においても起動ディスクの作成にフロッピーを使います。
”GRUB”というブートローダーの起動ディスクも、フロッピー1枚で作れます。
フロッピーの活躍の場は、記憶メディアとしてではなく、システム復旧のための最後の手段にあるかと思います。
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フロッピーディスクドライブ
メーカー : ミツミ
色 : ホワイト
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FDD には、”2モード”と”3モード”というモードがあります。
これらのモードを説明する前に、フロッピーディスクの種類について少し補足します。
フロッピーディスクには、”2DD”と”2HD”の2種類があります。
2DD(2 sided Double density Double track)と呼ばれるものは、未フォーマット時で1MB、フォーマット時で640KB または720KB の容量のものを指します。
2HD(2 sided High density Double track)と呼ばれるものは、未フォーマット時で1.6MB、フォーマット時で1.2MB (NECのPC-98シリーズの場合)または1.44MB (PC/AT互換パソコンの場合)の容量のものを指します。
現在では、1.44MB の2HD タイプのものが主流となっています。
2モードドライブとは、容量720Kbyte/640Kbbyteの2DD フロッピーディスク、IBM PC/AT 互換機で使われてきた1.44MB の2HD フロッピーディスクの2種類のフロッピーディスクを読み書きできるドライブです。
これに対し、2DDと1.44MB の2HD だけでなく、NECのPC-9800シリーズで使用されてきた1.2MB の2HD フロッピーディスクにも対応したドライブを3モードドライブと言います。
現在の主流は2モードドライブです。
最近は、フロッピーディスクドライブの代わりにマルチカードリーダーが搭載されているパソコンを多く見かけます。
メーカー製パソコンや、ショップブランドに多く見られますが、3.5インチベイが一つしかないパソコンでは、マルチカードリーダーが搭載されているとフロッピーディスクドライブがありません。
マルチカードリーダーはUSB 接続なので、内蔵されていてもマザーボードのUSB 端子に接続されています。
しかし、3.5インチベイが占有されている場合には、外付けのフロッピーディスクドライブを購入して使用することになります。
デジカメやデジタルオーディオ機器が普及しているので、マルチカードリーダーは非常に便利ですが、いざフロッピーが使用できないと困る事もあります。
さらに、フロッピーを外付けにするとUSB 接続になるため、フロッピー起動できないという重大な欠点があります。
この辺りをよく考えて、フロッピーを外付けにするか、マルチカードリーダーを外付けにするかを考えなくてはなりません。
3.5インチベイが2つ以上ある場合には、両方ともケース内に収める事ができます。